この日、朝港の傍を移動中に船のエンジンが掛かる音を聴いた。
土曜は休漁で河岸は開かないが、人々の生活に漁は欠かせない。
すぐそばに鎮座する、守護神は港を番する沢山の小さな水兵さんで糞塗れ。
丁度、一艘帰港直後の漁船が、
兄さん、あと少しはよ来たら鰯分けたんに・・・と威勢の良いおやっさん。
魚に弱いと書く通り、河岸が無い日は近所に振る舞うのみ。
数日の時化明けで家庭の台所の足しにはなった様だった。
2018年 睦月 北金ヶ沢港にて
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日東流の季節風に抗う 十八話 港へ
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