今の会社に転職した年の春、帰福に285系サンライズで。
間もなく去りゆく定期寝台特急あけぼのに敬意を表して夜行列車ネタを。
都会の帰宅ラッシュの喧騒をよそに22時ちょうど、始発の東京を滑り出し一路西を目指すサンライズ。
ガラス一枚を境に日常と非日常が同居する旅情は格別である。
夜の東海道筋は更けて行き、熱海に着く頃には駅は眠りにつこうとしていた。
まだ急行銀河が存在した懐かしい電光板は最後の動脈の威厳を辛うじて感じさせた。
車窓を流れる街灯は、人生の走馬燈そのもの。
ガタンゴトンと規則正しいリズムは寝台列車ならではの子守歌。
285系のモダンな車内のインテリアは、ウッディで高級ホテル並みに美しい。
そんなサンライズBソロの心地良さとウイスキーの酔いでウトウトしていると早くも名古屋に到着。
一晩中眠らない都会の街灯が優しくサンライズを見送ってくれる。
やがて眠りに沈んで翌早朝。
夜明けを車内で迎える贅沢は夜行列車最大の喜び。
朝焼けとともにゆっくり始動する山陽路の街並み。
そして下車駅の岡山に着く。
ここでは、出雲と瀬戸の厳かなお別れの儀式に旅人たちが集まる。
ロマンチックな夜行列車の旅はあとどれくらい楽しめるのだろう・・・
2007年4月5日・6日 5031M サンライズ出雲・瀬戸
※励みになりますので左上のにほんブログ村鉄道写真ボタンをポチッとよろしくお願い致します。