それは奇しくも高校3年の夏。
受験を控え思うような撮影行に出られず。
それでも何とか出かけた下関。
短い機関車付け替え時間を最大限活用し、
高感度モノクロフィルムとリバーサルフィルムを駆使しその最後の勇姿を記録する。
手持ち、一桁台のSSで切り取った内の一枚。
143号機は蛍光灯の薄暗いホームで鈍く青く浮かび上がる。
年輪のように躯体の彼方此方に刻まれた疵。
仄赤く浮かび上がる計器灯。
オデコ中央の大きな前照灯が此の罐の歩んできた歴史を物語る。
1979年7月 山陽本線 下関駅 EF58143号機
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最後の輝き ゴハチ特急仕業
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