MINT BLUE
刻々と帰路に就く時間が迫りくる。西寄りになった日差しで、線路は翳になるがその分海の色は、波立つ浅瀬の水は泡を多く含みそこに差し込む陽光でミントブルーに輝く。紺碧とは異なる海の表情に暫し魅了される。さてとあと1本くらいか・・・2017年初夏 八戸線 陸中八木~宿戸
View Article傘寿の飯田線への餞 -窓
今年で80年を迎える飯田線。電気私鉄出身の長大路線に旧性能電車犇めく鉄道は面白さ満載の鉄道だった。そんな時代の飯田線の80年代初頭に撮った四辺の写真で傘寿の餞としたい。旧性能電車の魅力の一つはズラリと並ぶ窓。その一つ一つに様々な人々の生活や営みが垣間見れた。夜の田んぼから蛙の合唱が賑やかな片線ホームが何とも私鉄私鉄している。1982年5月 下市田
View Article傘寿の飯田線への餞 -秘境の駅
もちろん、撮影当時に「秘境駅」なるワードは存在せず。暴れ川が刻む深い谷とアルプス同属の造山運動によってできた急峻な山々に阻まれた山奥の駅、千代。そんな駅にも何処からか利用者がやってきて、駅は機能していた。電車が去った後に、待合小屋の壁に留るオオムラサキが印象的だった。1982年5月 千代
View Article傘寿の飯田線への餞 -待合せ
記憶では七久保の近くに投宿したと。夜19時台~20時頃の待合せの一コマで、この後80系が奥から入線してくる。クモハユニが沿線の物流の一端を担った時代、暫し駅務員と乗務員の談笑タイム。時々鳴り出すコンプレッサー音が耳に心地いい。1982年5月 七久保
View Article忘れ得ぬあの秋 大蒲原の原
白一色で覆い尽くされるよりも、豊穣がぎっしりと詰まった秋が好きだった蒲原の景色。小高くなったこの地点から見渡す大蒲原の原は日本の秋の原形とも言うべき眺め。ゆっくりし過ぎもせず、急ぎ過ぎもせず、丁度良いリズムの時間の流れを楽しむことが至福だ。1982年9月 高松~大蒲原
View Article忘れ得ぬあの秋 -暮れる七谷-
七谷へ。ちょうど暮時で山間の小さな町は何とも言えない色に染まりだす。秋の陽は釣べ落としの字の如く、夜の帳が下り始める頃電車が行ってしまった駅は、人恋しさ極まる静かさに包まれ、東の宵空は、山の上にぽっかり満月が浮かぶ。こうしてドラマチックな蒲原秋の一日は終わりを告げるのだった。忘れ得ぬあの秋、おしまい。1982年9月29日 七谷
View Articleヒガハス田んぼの実り
春からずっと天候不順だった今年。それでもちゃんと稲穂は実り、頭を垂れてくれた。毎年追っているわけではないが、電関人が一番ヒガハスだなぁと安心できる絵はやっぱりヒガハス田んぼが実りを迎える季節だ。2014年秋、2レと。2015年秋、3064レと。そして、今年の秋、8179レと。ずっとずっと、ヒガハスの田んぼで実りの季節が迎えられますように・・・。ヒガハス田んぼにて。
View Article流れる雲と立つ白波
刻々と変化していく空の表情と海の色。これが夏の八戸線を訪れた最大のテーマだった。帰りに乗る久慈17時発の列車ギリギリの時間まで粘ったこの海岸のラスト2ショット。やませによる海霧に始まり、晴の太平洋で締めくくる変化に富んだ八戸線、ヨンマルを撮るのもおそらく今回が最後になることだろう。2017年6月 八戸線 陸中八木~宿戸
View Article屋敷森ときぬがわとコンバインと
先日のヒガハスでの一枚。秋の序章を感じる光景だ。かつて何度も見てきた秋の収穫の風景は稲刈り、稲穂干し、脱穀の順番だったが今やコンバインが刈り取ると同時に脱穀までやって、トラックに積むのが普通になった。屋敷森がいろは坂の紅葉を思わせるようなきぬがわと鮮やかさを競う色に染まるのは師走の頃。秋は短いと思いがちだが、始まったばかりのヒガハスの秋は三月以上かけてゆっくりとうつろうのである。2017年9月...
View Article冬の予感 一 漁船と海
冬の季節風が容赦なく吹きつける海。列車が止まる様な時化の日でも船を出す。沿線の主産業は漁業なのだ。鉛色の雲の下で、やがて荒れた海の季節を迎える。1982年秋 五能線の車窓より
View Article冬の予感 二 輝く海
昔から日本海が見える風景が好きである。そんな景色が見えるところに生まれ育ってみたかった。鉛色の空から神々しい陽光が降りてきて海が輝く。厳しき季節の安堵の瞬間。1982年秋 五能線の車窓から
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