日東流の季節風に抗う 三話 北金ヶ沢の朝
冬の北金ヶ沢の朝は、マジックアワーから始まる。仄かに山入端が紅になりそれから30分経つか経たないかのうちに一列車限りのラッシュアワーを迎える。一日で一番駅が賑わうひと時。この時間帯の海は、その賑わいに耳を聳てるかの如く凪いでいた。2018年 睦月 北金ヶ沢駅
View Article日東流の季節風に抗う 四話 生まれるもの、死するもの
季節風の厳しき風土に、生まれ出るもの。それは昇る陽。荘厳に輝く日東流=津軽富士のモルゲンロート。その傍らで死して土に還るものがある。遡上してきて、産卵を済ませて息絶える鮭の屍。一段と強くなった北西の季節風で打ち寄せる波際をヨンマルが下る。2018年 睦月 陸奥赤石付近
View Article日東流の季節風に抗う 十話 広戸の濤
さっきまで凪いでいた濤は、広戸に来て様相が一変する。おそらく海岸地形のせいだろう。段丘の起伏が海に向いて開いており、依って濤は高なる。暗さに弱いE5のスペックを念力で絞り出し、換算600㎜を割り当てる。もう直ぐ水平線に冬の日が落ちる。Dfでは広角に開いて手前の濤を拾う。かつてハチロクと機関士の命を奪った、広戸の濤。2019年 睦月 広戸
View Article日東流の季節風に抗う 十一話 北風と太陽
まるでイソップの童話の世界。それはいきなり現れた。天使のナンチャラなんて軟な言葉はいらない。同じ日の少しの差で、北風さんが太陽を連れてきた。2018年 睦月 上)風合瀬、下)広戸
View Article日東流の季節風に抗う 番外 デュアルボルト機緒戦
番外ではあるが、今回の旅の目的の一つの「EH800」という機関車を撮ること。降り積もった雪を巻き上げながらやって来るコンテは書きあがっていたが、肩透かしの雪晴れ。おまけに三厩では撮影中に漁師小屋など11棟を焼く大火事が発生。切り上げ間際にやってき14号機の牽く札幌ターミナル行は、まるで津軽の季節風に乗った冬将軍を連れてきたかのようだった。2018年 睦月 津軽海峡線 油川
View Article日東流の季節風に抗う 番外 もう一つの電関人の顔
電関人のもう一つの顔、それは・・・建築物好きなこと。 今回の旅中に見つけた、大戸瀬地区の茅葺家屋の密集。一瞬道を間違えた怪我の功名でまさか今の時代にと我が目を疑った。上の手前の家屋は廃屋だが、それ以外は現役だ。...
View Article日東流の季節風に抗う 十話 広戸の濤
さっきまで凪いでいた濤は、広戸に来て様相が一変する。おそらく海岸地形のせいだろう。段丘の起伏が海に向いて開いており、依って濤は高なる。暗さに弱いE5のスペックを念力で絞り出し、換算600㎜を割り当てる。もう直ぐ水平線に冬の日が落ちる。Dfでは広角に開いて手前の濤を拾う。かつてハチロクと機関士の命を奪った、広戸の濤。2019年 睦月 広戸
View Article日東流の季節風に抗う 十一話 北風と太陽
まるでイソップの童話の世界。それはいきなり現れた。天使のナンチャラなんて軟な言葉はいらない。同じ日の少しの差で、北風さんが太陽を連れてきた。2018年 睦月 上)風合瀬、下)広戸
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